高齢者の口腔ケアと誤嚥性肺炎の関係

カテゴリ:小児・高齢者 | 公開日:2026-07-28 | 最終更新日:2026-09-01 | 点検日:2026-09-01 | 監修:石山 雄一(石山歯科医院 院長・歯科医師)

高齢者の口腔ケアと誤嚥性肺炎の関係

誤嚥性肺炎は、高齢の方の入院や生活機能の低下につながる病気です。誤嚥そのものを完全に防ぐことは難しくても、口の中の細菌を減らすことはできます。口腔ケアが必要とされる理由をご説明します。

この記事の要点

  • 誤嚥性肺炎は唾液や食べ物が気管に入り、口の中の細菌が肺に達することで起こります
  • 誤嚥は寝ている間にも起こります(不顕性誤嚥)。むせないから安心とは言えません
  • 口腔ケアの目的は肺に届く細菌の量を減らすことです
  • 歯がない方にも口腔ケアは必要です(舌・粘膜・入れ歯の清掃)
  • 自宅では体を起こして・少量ずつ・奥から手前へが基本です

誤嚥性肺炎が起こる仕組み

飲み込むとき、通常は気管の入り口が閉じ、食べ物や唾液は食道へ送られます。加齢や病気でこの働きが弱くなると、気管のほうへ入り込む(誤嚥する)ことがあります。

このとき、口の中の細菌が一緒に運ばれます。肺に達した細菌が炎症を起こしたものが誤嚥性肺炎です。

むせないから大丈夫、とは言えません。睡眠中などに、本人も気づかないうちに少量ずつ誤嚥していることがあります(不顕性誤嚥)。むせる力が弱まっている方のほうが注意が必要です。

口腔ケアで何が変わるのか

誤嚥そのものを完全に止めることは困難です。しかし、誤嚥したときに一緒に運ばれる細菌の量は、口腔ケアで減らせます。

高齢の方、特に介護が必要な方では、次の理由で口の中の細菌が増えやすくなります。

厚生労働省 e-ヘルスネットや日本老年歯科医学会でも、口腔ケアと全身の健康との関連について情報が公開されています。

歯がない方にも口腔ケアは必要です

「歯が1本もないから、口の中のケアはいらない」と思われることがありますが、細菌は歯の表面だけにいるわけではありません。

入れ歯は毎日外して洗ってください。就寝時は外して、水または洗浄剤に浸けて保管します。

ご家族が自宅でできるケア

ポイント理由
体を起こす(30度以上)寝たままだと、水分や汚れが気管に入りやすくなります
顎を軽く引く顎が上がると気管が開きやすくなります
水は少量ずつ一度に多いと誤嚥につながります。スポンジブラシで拭き取る方法もあります
奥から手前へ汚れを喉のほうへ送らないためです
短時間で複数回一度に長く行うより負担が少なくなります
口が乾いているときは、いきなり磨かないでください。先に保湿剤やスポンジブラシで湿らせてから行うと、粘膜を傷つけにくくなります。乾いた汚れを無理に剥がすと出血することがあります。

自宅でのケアが難しい場合

ご自宅でのケアが難しい場合、訪問診療で専門的な口腔清掃を行い、ご家族への手技のご案内もできます。石山歯科医院は訪問診療に対応しています。

次のような場合は中止して、ご相談ください。

訪問診療の対象と費用は 板倉町で訪問歯科をお探しの方へ をご覧ください。

よくあるご質問

高齢者の口腔ケアはなぜ必要ですか?
誤嚥性肺炎は、唾液や食べ物が気管に入る際に口の中の細菌が一緒に肺へ運ばれて起こります。誤嚥そのものを完全に防ぐことは難しくても、口腔ケアによって肺に届く細菌の量を減らすことができます。
歯が1本もなくても口腔ケアは必要ですか?
必要です。細菌は歯の表面だけでなく、舌の表面(舌苔)、頬の内側や上あごの粘膜、入れ歯の内側にも付着します。入れ歯は毎日外して洗い、就寝時は水または洗浄剤に浸けて保管してください。
寝たきりの家族の口腔ケアで気をつけることは?
体を30度以上起こし、顎を軽く引いた姿勢で行ってください。水は少量ずつ使い、奥から手前へ汚れを送らないように清掃します。口が乾いているときは、先に保湿剤やスポンジブラシで湿らせてから行ってください。

出典

※ 本記事の掲載内容は一般的な情報です。症状や適応には個人差があり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。費用は2026-09-01時点の税込金額です。

※ 点検日(2026-09-01)は、監修者が記事内容を点検した最新の日付です。内容に実質的な変更があった場合は最終更新日を更新します。

石山歯科医院について

ご自宅でのケアが難しい場合は、訪問診療で専門的な口腔清掃と手技のご案内ができます。

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